「読書について」小林秀雄 新潮社
小林初期の数十ページほどの短文です。初期の小林らしい江戸っ子気質が窺える威勢のいい啖呵を切ったような文章ですが、わたしは若い頃この短文を読み、どれほど勇気づけられ励まされたか知れません。この短文は最後にこう締め括られています。「良書は、どのような良書であれ、たった一つのことしか語っていはしない。君は君自身になり給えと。君に何が欠けていようか。」手元に本がないため、記憶の中の不手際な引用ですが、この言葉はわたしの心に深く刻みつけられ、その後、わたしの読書人生の揺るがない指標となりました。
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