現代詩 都市
白い日の光が照る
ビルは都市の海に浮かぶ島々
伝説を忘れた潮流のように自動車は
流れていく
魚群のような人々は
張り巡らされた道を縫って歩く
まぶしく反射する
ガラス
都市に酔い痴れるものたちのため
歪に切り取られた
立体の空
けたたましい航空機が
そこに描く白い直線意思
高速道路は豪華な日除け
その乾いたアスファルトの影から
数羽のハトが飛び立つ
日が沈むころ
あやしく金色に輝くビルがある
束の間
その光に心奪われたものたちは
崩壊していくビルの
遠いしずかな予兆を聴いたのである
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