「高瀬舟」森鴎外 新潮文庫
江戸時代に取材した短編小説です。話の主題はたいへん重く、実の兄弟をやむを得ない事の成り行きからあやめてしまい、護送船に乗せられた男の話です。ここでも、やはり鴎外は自分の意見などを陳述していません。ただ、護送船の船頭にこの男は果たして、罪人と言えるのだろうかとお上に問うてみたいと思わせて、物語を終わります。筆者自身はまったく冷厳に沈黙したままです。読者はさまざまな想像や考えをかき立てられてやみません。鴎外晩年の傑作のひとつです。
江戸時代に取材した短編小説です。話の主題はたいへん重く、実の兄弟をやむを得ない事の成り行きからあやめてしまい、護送船に乗せられた男の話です。ここでも、やはり鴎外は自分の意見などを陳述していません。ただ、護送船の船頭にこの男は果たして、罪人と言えるのだろうかとお上に問うてみたいと思わせて、物語を終わります。筆者自身はまったく冷厳に沈黙したままです。読者はさまざまな想像や考えをかき立てられてやみません。鴎外晩年の傑作のひとつです。
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