現代詩 響声
酷熱のアスファルトの路面に
蟬が転がっている
持ってみればわかる
体はうずら卵の殻のように薄く
夏の熱気と直かに
結ばれた共鳴体である
愚問が一つ
頭を叩く
なぜ蟬は鳴くのだろう
なぜそんなに短い命を
かくもやかましく表現するのだろう
わたしの蟬はもう鳴かない
唖蟬のように
閑けさを恐れない
それは一つの閉じられた響声である
ならば
腹を震わせて鳴け
数億の
ちっぽけな発音器よ
その喚声が
どこかで
永遠の沈黙とこだまするように
八月
空の扉はすべて閉ざされている
酷熱のアスファルトの路面に
蟬が転がっている
持ってみればわかる
体はうずら卵の殻のように薄く
夏の熱気と直かに
結ばれた共鳴体である
愚問が一つ
頭を叩く
なぜ蟬は鳴くのだろう
なぜそんなに短い命を
かくもやかましく表現するのだろう
わたしの蟬はもう鳴かない
唖蟬のように
閑けさを恐れない
それは一つの閉じられた響声である
ならば
腹を震わせて鳴け
数億の
ちっぽけな発音器よ
その喚声が
どこかで
永遠の沈黙とこだまするように
八月
空の扉はすべて閉ざされている
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。