「人間知の心理学」A・アドラー 春秋社
後に一家を成したフロイトの高弟アドラーの著作です。アドラーはあまり本を書いていませんが、優越感情や劣等感情など、今では常識になって使われている用語を発案した人物です。アドラーは名誉心や虚栄心などの過度の発達、いわば権力志向が、真の人間性をいかに損なっているかに注目します。人間知はいまだ、発達の途上にあることを指摘します。このアドラーの「権力志向」の考え方は、日本の森田療法では、「幼弱性」と名前を変えて使われています。権力志向を実現させようとする不可能で無理な心理をいかに自分自身で認識し、制御し、真の人間らしい生活を送るか、アドラーの祈願はそこにあります。教育にも多くの提言を残しています。
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