「リア王」シェイクスピア 新潮文庫
シェイクスピアの四大悲劇の一つです。リアは領地をめぐる話し合いの際、最愛の娘コーディーリアから、素気ない言葉を聞き、あっという間に信用のならない二人の姉に領地を与えてしまいます。この振る舞いが劇に正邪の反転したような狂気の性格を与えます。リアの怒りは自分の蒔いた種に他ならないのですが、自然力を思わせるようなその狂的な怒りには、何もかもを飲み込んで行く奔流のような抗し難い偉大な勢いがあり、われわれはリアの死の最後まで、固唾を呑んで劇を見守る他ありません。裸形となった狂気の真の意味を問う悲劇です。
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