「ヴィルヘルム・マイスター修業時代」ゲーテ 岩波文庫
主人公のヴィルヘルム・マイスターは、恋に破れ、ある劇団に身を置きます。そこではハムレットを演じるのですが、この小説自体が一編の卓抜なハムレット論にもなっています。ハムレットは性格劇ではないという卓見がここで出てきます。その劇団で運命の荒波にもまれながら、ヴィルヘルム・マイスターは成長していきます。彼と知り合いになった一女性の「美しい魂の告白」は圧巻です。ミニヨンという孤児の女の子の扱い方も見事です。フリーメーソンと思しき秘密結社の記述も見えます。その後の作家の範となった読み応え充分の教養小説です。
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