Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 日本仏教考 <雑感>

日本仏教には、それぞれ格というものがあるのを、ご存知だろうか。


もっとも格が高いのが、天台宗、その次が、真言宗というようになっていて、天台宗は、ご存じの通り、大師第一号の伝教大師が日本の祖師で、真言宗は、弘法大師である。


これは家柄というものが、関係していて、昔は、仏教も他の宗教と変わらず、祈るときに、様々な仏具<道具>を必要とした。その仏具が揃えられるほどの経済力がなければ、その宗派に入れなかった。だから、家柄が問題となったのである。


わたしは、天台宗が家の宗派だという人には、一人しか会ったことがない。真言宗の人には、二人だけ会ったのみである。


こうした、家柄でどうのという仏教観を、根底から覆したのが、ほかならぬ鎌倉仏教の祖師中の祖師、法然上人であった。


ただ、仏教の世界では、未だに、こうした宗派の格を問う声が根強く残っていることも、押さえておきたいところではある。