エッセイ ベートーヴェン <後期の音楽群>
これら東洋精神の精髄を表現していると言われる音楽のそれぞれは、それだけでも、驚くべくことなのだが、それらが、西洋音楽のイディオムの枠組からまったく逸脱せずに、完璧に成立している様を、見て、驚嘆しない方がどうかしていると、言える音楽である。
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このベートーヴェンの諸作品から見ても、楽器に洋の東西の違いはあれ、どのように表現しがたい精神でも、それを表すのに、不都合であるような楽器は、ほとんどないと言って良いのであろう。
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特に、ヴァイオリン属やピアノのような楽器は、まだまだ、計り知れない可能性が隠されているように思える。
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また、西洋音楽のイディオムというものは、その振り幅が、とんでもなく大きいものであることも言っておく必要があろう。これは、過去の音楽伝統を、決して途切れさせなかったバッハのお陰に拠ると、言って良いと思っている。
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