Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 政治の怖ろしさ <ウクライナ情勢>

報道で、プーチンの言い分を聞いていて、徳川家康の言葉を思い出した。「真らしき嘘は真なり、嘘らしき真は嘘なり」と。


プーチンの言い分は、嘘にまみれていると欧米側が言うのは、本当だろう。


だが、湾岸戦争のとき、アメリカが、フセインは大量破壊兵器を持っているという口実で、戦争を仕掛けたのは、どうであったのだろうか。イラクには、そんなものはどこにも見つからなかったのである。


この情報戦が先行した、国際情勢の中にあって、果たして、プーチンばかりを非難できるのだろうか。


さて、家康の言葉であるが、政治も、当たり前なことに、人と人との関係である事は、歴然たる事実である。人間関係とは、信頼関係を基礎に据えられているものである。国際秩序の中にあっても、このことに変わりはない。断って置きたいが、法による秩序とは、ほとんどが、後付けとなるようなものであるのが残念ではあるが。


そこで、その信頼関係が崩れたとき、つまり、有事の際は、人々はどのように振る舞うべきなのか。家康の先の言葉が、不気味なほど、リアリティを持ってこちらに迫ってくる様が見えて来ないだろうか。そうでなければ、神君と呼ばれても、くだらない男に過ぎないであろう。