Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

閑話休題 音楽のこと <カラオケ>

かなり以前の話だが、井伏鱒二がテレビに出ていたとき、インタビュアーから、カラオケというものを知っていますかと問われ、答えられなかった映像を流していた。


これは、作家という職業にとって、名誉なことか不名誉なことか、微妙なところであろうか。


わたしは、ほぼ、聞く音楽はクラシック音楽であるが、カラオケに行かない訳ではない。誘われれば、それなりに歌う。


持ち歌は、喜納昌吉の「花」、ザ・ブームの「島唄」、中島みゆきの「糸」、それから、これはキーを下げなければ歌えなかったが、美空ひばりの「川の流れのように」、だが、川の流れのようには、キーを下げても、一音だけ声が出なかった。昔は、それでどうという人も居らず、みなそれなりに聞いてくれたが。


2,3年前、旧友と会って、この歌を歌ったら、そこを聞き咎められて、こちらを茶化そうとした。昔から人を茶化すことが好きな旧友であったが、わたしの態度を見て、顔の表情だけで茶化して見せた。


クラシック音楽ではあるまいし、一音外したからどうだというのが、わたしの態度と思いであった。それに、クラシックでも、完璧に歌うことは、むずかしい曲では稀と言っていいことである。


けれども、今は、テレビの影響もあってか、一音外しただけで、どうのこうのという人が増えた。あまり、良い風潮とは言えないように思えるのだが。