民俗学のブログ記事
民俗学(ムラゴンブログ全体)-
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この歴史には、固有名詞がまるで出てきません。柳田は、ある特別の人物に焦点を当てなくても、歴史を書くことができるという信念のもと、「常人」と柳田が言う普通一般の人々を考察の対象とし、見事に明治から大正にわたる歴史を書き上げました。書中、「日本人は開国以来、軽度の興奮状態にあるのではないか」という言葉... 続きをみる
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遠野は、今の岩手県にあたります。もの深い山奥の物語です。「願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ。」この物語は事実「平地人を戦慄せしむる」に充分な数々の話柄に満ちています。他の書物で柳田はこうも語ります「迷いも悟りもせぬ若干のフィリステル(俗物)を改宗せしむるの機縁を得れば」柳田は、民俗学の戦慄... 続きをみる
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民俗学、生物学の巨人、南方熊楠の評伝です。南方の著作は膨大を極め、その研究もやっと緒についたばかりです。少年の時の南方は「和漢三才図会」と呼ばれる当時の膨大な百科事典の数十ページを、毎日丸暗記して、とうとう全てを写してしまうほどの驚異的な根気と記憶力の持ち主でした。「ヨーロッパにあるようなものは日... 続きをみる