日本近代の自然主義小説家正宗白鳥の最晩年の短篇集です。どの編も枯れ切った、宗教的な雰囲気さえ漂う名篇になっています。白鳥の文章は、味も素っ気もないもので、まるで活字そのものを読んでいるような気にさせられますが、そのために作品の純度は非常な高さに達するものがあります。白鳥は、若い頃キリスト教に入信し... 続きをみる
宗教的のブログ記事
宗教的(ムラゴンブログ全体)-
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実存主義は、キリスト教または既存の宗教的な衣を脱いだとき、人々が抱く思想だと言われているが、わたしは異なった考えを持っているので、ここに書いてみたいと思う。 結論から先に言えば、むしろキリスト教こそ実存主義そのものだという考えである。思想において、何ものをも、前提としないという点では、東洋の方がむ... 続きをみる
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かねてから思っているのだが、日本語には、英語のbe動詞に相当する意味での存在動詞というものは、ないのではないかという疑念を持っている。 結論から言ってみれば、英語のbe動詞フランス語のetre動詞等は、いわば存在を保証する動詞だと思っている。 日本語いや日本語に限らず、漢字圏の言語では、例えば、「... 続きをみる
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老子と荘子の思想を一括して、老荘思想といい、道家ともいいます。荘子は、老子の言をさらに推し広げて、中国では珍しい宗教的な色彩を帯びた思想に到達します。特に内篇にそれが顕著です。老子に見られた社会への熱い眼差しは影を潜め、社会とほとんど関わりを持たない全くの宗教的な境地に至ろうとします。仙人の思想な... 続きをみる
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金については、いつもその不足を嘆き、今の収入の中でなんとかやりくりをつけているというのが、一番まっとうな、またもっと言えば、健全な在り方なのではないかと思っている。 1億円の宝くじが当たって、いい気になってしまい、高級自動車を買い漁り、首が回らなくなって、社会からドロップ・アウトしてしまった人を知... 続きをみる