セザンヌのレプリカ飾りて数ヶ月思はぬ真価見え始めけり 何気なき箇所に小さき空きありて思ひも掛けぬ光を発す セザンヌやほんの僅かな空隙が光をもたらす絵の窓となる 気も付かぬそこはかとなき間隙を見つけて思ふセザンヌの腕
セザンヌのブログ記事
セザンヌ(ムラゴンブログ全体)-
-
セザンヌの絵は、遠近法に従えば、単に歪んだ画面に過ぎないのに、不思議な空気感を持った、奥行きがある。 ○ 支点とは、その人自身でなければならない。ある原理、理論を支点とすべきではない。
-
モーツァルトを聴くと、自分の耳はこれほど精妙に出来ていたかと、驚くことがしばしばである。 目については、そういうモーツァルトのような意味で、驚かされる画家は、あまり思い浮かばない。北斎のある画や、セザンヌの絵にハッとさせられた思いはあるが、これは、何せ、その画の実物を見ていないこともあり、また、実... 続きをみる
-
セザンヌやカッと見開くまなこには森羅万象宿したりけり 神話とは実在なりやルーベンス手綱取りたるをみなたくまし 小雨止み紫陽花匂い立つごとく
-
よどむことまるで知らざるモーツァルト夜想曲さへ日の当たるごと セザンヌや厳しき線をグラジオラス 祈りつつガンジーを描く滝の音
-
セザンヌの言葉によると、ゴーギャンやゴッホは、私の絵から勝手にプチ・サンスを盗んで画業を成した画家たちで、セザンヌと親しくしていた人は、彼らのことに話が及ぶと、セザンヌは憤懣やる方ないという様子を見せていたという。 本家のセザンヌに言わせれば、そういう言い方になるのも、もっともかも知れないが、その... 続きをみる
-
セザンヌが好きである。だが、セザンヌの名作と言われるものは、そのほとんどを、金持ちが持って行ってしまい、一堂に会して見ることができないものになってしまっているのが、現状である。 画集だけで、セザンヌの絵を判断するのは危険だということは、分かり切った話であるが、さて、セザンヌの本領を発揮した本物をじ... 続きをみる
-
書かれなかったことで 永遠に安らっている 隙間 サント・ヴィクトワール山は あんなにじっくり見つめられて逃げ出したくはなかったろうか 空さえも 動かぬ色を 剥き出しにされ 四角い額の中に収められてしまった 事物はみるみる表皮をはがされ 自然は その驚くべき心を われわれに通わせる そのとき 唐突に... 続きをみる
-
-
フレンホーフェルという金持ちの老画家の話です。彼は、熱っぽく絵について語り、瞬く間に一枚の見事な絵を描いてしまうような腕を持っていますが、少し風変わりなところがあります。十年来、ある絵に没頭し、それが自分でも傑作かどうか判じかねているのです。ある機会があって、思い切ってその絵を信頼している画家の仲... 続きをみる