「ソクラテスの弁明」プラトン 岩波文庫
プラトン初期の傑作です。アテネの法廷に立ったソクラテスが不当に断罪され、死罪を言い渡される有名な話ですが、ソクラテスは判決を言い渡された後、親しい人々に不思議なことを語ります。「諸君、驚くべきことが起こった。私のダイモーンがまったく沈黙してしまったのだ。」ソクラテスのダイモーンは、ソクラテスが子供の頃から、その行動の些細なことまで介入し、禁止の鈴のような音を鳴らすのですが、そのダイモーンの音がまったく聞こえなくなったというのです。ソクラテスは自分の死を受け入れてから、尋常な人間とはまったく異なる別の存在、まさしくダイモーンそのものになったと考えて良いのかも知れません。ベルクソンはこのソクラテスのダイモーンについて卓抜な論考を残しています。
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